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●山下農園とは
山下農園は、徳島県三好市池田町の山間部(標高約500m)で150年以上前から続く伝統製法のさつまいもやフルーツトマトを栽培しています。
三好市池田町は美しい山々や清流など豊かな自然があふれ、全国有数の秘境の駅として知られる坪尻駅がある地域です。
池田町は2018年に山間部で継承されてきた急傾斜地での農耕システムが認められ、四国ではじめて世界農業遺産に認定されました。
畑は傾斜地で水はけが良く、また山間部にあるため1日の中でも寒暖差が大きく美味しい野菜が作れることが特徴です。
さつまいもは四国で唯一の『ひめあやか』という小ぶりで糖度が高い品種を栽培しています。
ひめあやかは1本の苗から取れる実の量が他の品種に比べると少ないため、生産量も少ない希少なさつまいもです。
山下農園ではさつまいもの販売と共に干し芋に加工し販売しており、焼き芋や干し芋などの加工食品にした際の食感や味などを加味した上で、ひめあやかを育てています。
●地域での取組と食文化の継承
干し芋の製造工程は150年以上山下農園で続く伝統製法を守り、地域の食文化として継承しています。
製造はすべて手作業で行われており、山下農園だけでは人手が足りないため、地域の老人会の方にもお手伝いいただきながら作っています。
さつまいもを茹でるときに使う薪は山から薪を拾って集めています。
また、自然災害での倒木や近隣の高齢者で木の管理に困っている方の伐採のお手伝いなどをし、その木で薪を作ることで環境保全や地域の方とのつながりを深めています。
茹で窯も昔からの窯を使い、火加減を調整しながら茹でています。
茹で上がったら老人会の方と1つずつ丁寧に皮を剥きながら網に並べ、乾燥機は使わずに太陽の光と山から吹く自然の風を利用して天日干しで乾燥させています。
鮮やかな黄色のひめあやかの食感はねっとりとホクホクの間で、干し芋にぴったりの品種です。
手作りのため大量生産はできませんが、自然の恵みをたっぷり詰め込んで一つ一つ手作業で丁寧に仕上げ、美しい琥珀色の干し芋となります。