寒山拾得

●寒山拾得(かんざんじっとく)とは

京都府舞鶴市の西方寺という集落で狩猟採集と田畑の暮らしを営む山の肉屋・農家民宿です。
寒山拾得の由来は、中国、唐代の風狂の隠者・詩人である寒山と拾得から来ています。
文殊、普賢菩薩の生まれ変わりとされ、飄逸な人物であったと伝えられています。
寒山(かんざん)はジビエ処理施設、拾得(じっとく)は農家民宿の屋号で2つ合わせ寒山拾得と名づけました。

元々は農家として働き始め、栽培を始めるうちに問題となったのが獣害でした。
大事に育ててきた農作物や田畑を荒らされ、その被害を少しでも減らすためにわな猟師免許を取得。
その後、狩猟や解体を学び、寒山拾得を開業しました。

近隣の野山で自ら鹿や猪を捕獲、解体、精肉、熟成、調理までを一貫して行い、獣肉の真価を味わってもらえるように通信販売や民宿で提供をしています。

●狩猟のこだわり

狩猟では数を追い求めることはせず、肉としての価値を高めることに重点を置いています。
農林水産省が開示しているデータでも、猟師の自家消費を除くと狩猟後に山に埋設・廃棄される場合も多く、ジビエの利用拡大に向けた取組が行われています。

鹿肉は牛肉に比べ脂質が少なくたんぱく質が多いのに加えて、ビタミンB2・ビタミンB6・鉄分が多く含まれ、猪肉は豚肉に比べ脂質・たんぱく質は同程度ですが、ビタミンB群や鉄分が多く含まれています。

野生獣がジビエとして食卓に上るまで、様々な工程を経なければなりません。
山に分け入り、獣道を探し、足跡を拾う。痕跡を観察し、その姿形を想像しながら罠をかける。
毎日の見回りののち、罠にかかった獣を捕獲し、命を奪う。
命を奪ってからは速やかに解体し、枝肉にして熟成。
観察しながら、適切な時期に部位に分ける。

食材として美味しいジビエにするためには、獣の命と誠実に向き合わなければなりません。妥協の無い仕事で昇華された獣の命、山のめぐみを是非一度、ご賞味ください。

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